LEDライトガイド、あるいは灯火考
私はかつてランタン・マニアだったことは、cooshin.jpのころからの読者にはよく知られていることと思う。実はランタンのみならず光物は大好きで、当然新しい光であるLEDには古くから興味があり、それなりのコレクションや薀蓄がある。
ところが、世間には私など足元にも及ばない熱心なマニアが多数おられるようで、今更このサイトで公開すべき情報などほとんど持っていないが、それらの方々のサイトとは異なる視点で、いくつかの論説を書きたい。
経緯
私がランタンマニアに変貌した経緯から書かねばなるまい。
わが国は現在でこそ停電などのアクシデントは滅多に無いが、かつては雷雨や台風になるとすぐに停電や断水に見舞われたものだ。現在の平穏な暮らしの中では、余程のことが無い限り、闇におびえる状況は無い。そのような中、過激なまでに私をランタンマニアに変貌させる事件が起こった。1995年1月17日の阪神淡路大震災である。
それまで、ささやかな灯火マニアだった私はすっかり「ライフライン・マニア」になってしまった。
少年期にボーイスカウトに参加していたこともあってか「ソナエヲツネニ」が「ソナエコソスベテ」に変化した。様々な想定から、ライフラインを確保する有効な方法を考えることと、そのリハーサル実行が楽しくなってしまったのだ。
強がっているわけではない。地震や台風などの災害は恐ろしいし、根本的な問題に対抗できるわけではない。しかし、その恐怖を増幅してもしようがないし、想定を行い訓練することで、恐怖を楽しみで中和することは可能なのかもしれない。
結論から言えば、灯火と熱源に関しては、ローソクと炭の備蓄が最も有効で、費用も格安かつ安定(もちろん取り扱いの訓練は必要!!)なのだが、それを備えた上で、よりアップグレードな光と熱が欲しくなる。そもそも現代の生活の多くの部分が電気に依存し、それが絶たれることが問題の本質なので、小型・高性能かつ備蓄可能な電力供給装置の確保が根本的解決なのだが、興味はそちらへは向かない。
現在のテクノロジーでそれは困難の度合いが高く、また身重になることが想像に難くないからだ。故に文明の象徴である商用電源の世話にならず、スタンドアローン(独立動作)の明かりや熱源に憧れてしまうのだろう。
ろうそくの使い方なんか、言われなくても知っている、などというものではなく、器具を用いることで、室内での使用の安全性や、風に対する安定性や使いやすさは、それなりに向上するものです。