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<危険なのか>
 日本の大手メーカーからのリチウムイオンバッテリーの単品販売が無いことを見てもわかるように、一歩間違うと人命に関わるほどの爆発事故につながるほどの危険がある。

しかし、わが国で抜群の普及率を誇る携帯電話のほとんどや、ノートパソコンのバッテリーも同じ種類のものを使用しており、もはやそれらの危険を自分から遠ざけた生活はありえないだろう。

 激烈な明るさを誇るLED懐中電灯のほとんども、そのパワーはリチウムイオンバッテリーを使用したときに限られる。自己責任なわけだ。

<何が危険なのか>(リチウムイオンの場合)
1)2Cを超える充放電
2)発熱するような運用
3)バッテリー自身の膨満        <内圧が上がっていることは見ればわかるでしょう>
4)ショート                 <瞬間的でも致命的>(外装フィルムの破れも危険)
5)過放電    [<2.75v]         <一度で致命的>
6)過電圧の印加 [>4.2v]        <爆発まで秒読み>
7)高温の印加(ハンダ付けなど)  <自殺行為>
8)衝撃の印加              <穴が開くと飛んでいきます>

 

<メーカーは何をしているのか>
過放電やショート、過熱、過電圧の印加などに対しては、「プロテクトチップ」と呼ばれる保護回路をバッテリーと一体化している(18650や14500プロテクト付き)か、バッテリーモジュールにプロテクト回路を内臓するなどしている。

しかし、多くのデジタルカメラや携帯電話のバッテリーはそのようなプロテクトは施されていない。
また18650や14500などでもプロテクトありと無しの両方が販売されている。
(プロテクトチップを内蔵することは、安全上極めて有効といえるが、良いことばかりではない。直径や長さなどの外形寸法が大きくなってしまうのである。18650対応のライトではあまり問題になることは無いようだが、14500(単3サイズ)対応の場合は、14500使用可能の仕様になっているライトでも、入らないことやキツいことがよくある)

 ニッケル水素はリチウムイオンほどの活性が無い分安全性も高いが、過放電は寿命を縮めるし、直列で使用する場合、片方のバッテリーが先に放電しきると、そのセルは他のセルの残存容量によって逆充電(電極の反転)が起こり、この逆充電はセルに致命的なダメージを与える。電解液の噴出や爆発することがあるが、そこまで深い放電は避けたいものだ。上記のような使用は避ける必要がある。

また、充電にもある程度は配慮し、セル個別に充電状態を管理するタイプの充電器を使用する(そのような充電器は比較的高価だが)とともに、セルに管理番号を記入して、組で使用すると良い(疲労状態がある程度揃うため)。

もうじきブランドがなくなるらしいが、三洋電機製のエネループは、ニッケル水素方式でありながら、画期的な保存性が実現されており、備蓄用途にも適している。それ以前のニッケル水素の保存性(自己放電特性)が数週間程度だったものが、年80%以上(現行モデルでは3年80%)と大幅に改善されているので、備蓄用には1年に1度追加充電するだけで、備蓄し続けることができる。メモリー効果を差し引いても十分に価値があると言える。

☆一般的に、高性能=高エネルギー、なので、その明るさの懐中電灯が必要な場合
上記のリスクは避けられないし、スローライフなろうそくでも危険があることにはかわりない。比較的安全なニッケル水素バッテリーでも人命に関わるほどの爆発はしないものの、同じような危険性があるし、ニッケル水素バッテリーやアルカリ電池の電解液は苛性カリウムを含むので、漏れた電解液やその乾燥したものが目に入ると、即座に角膜溶融を起こす。どれも相当に危険だ。

漏液したときのダメージがあまりに大きいので、私のアナログ針式テスターはアルカリ電池を使用しない。マンガン電池のみ使用だ。

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