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「水考プロフェッショナル」は、こちら




はじめに

このテキストは東日本大震災を受け、執筆スケジュールを早め、未整理状態で公開するものです。誤字・脱字、誤った記載などが残っている場合があることを了解の上、ご利用下さい。
また、このテキストの利用により、利用者に何らかの損失が生じても、執筆者、サイト管理者は免責されるものとします。

順次内容を拡充し、写真や図も含めていく予定です。
ご意見やご指摘などは、遠慮なく「コンタクト」までお寄せ下さい。

文章量が増え、読みにくくなってしまったので、上水道に含まれる放射性物質を取り除く場合についてのみ「水考Lite」を著します。

小規模事業所などでの、大量処理についてのリクエストに応え、「水考プロフェッショナル」も公開します。

巻末に使用する薬剤などのトラブルシューティングを追加しました。

このテキストは暫定版で、放射性同位元素であるヨウ素131やセシウム137そのもので浄水性能の検証を行っているわけではありません(入手や検証ができないため)。

等価的に非放射性のヨウ素化合物とバリウム化合物の化学的定性残量と、放射線についてはトリウムとラジウムの残留量(ガイガー管計数)しか検証できていません。

すべてが同じように作用するわけではありませんが、活性炭吸着はそのメカニズムから推測して、ヨウ素131やセシウム137などでも有効な除去方法ではないかと考えられ、また他に有効な方法を手近な材料で実現することも困難と思います。

オフライン環境で閲覧したい方は、こちらからhtmlファイルをダウンロードしてください。




 命を繋ぐ上で最も重要な代謝(生命活動)が、水分の摂取です。正常な活動を行う為の必要量として、大人1人、1日に2リッターの水が必要とも言われています。節約に節約を重ねても0.5リッター以下にすることは、困難や危険を伴うとされます。

避難等、できるだけ活動を抑制していても、正常な代謝や思考を維持するには、水分の摂取と体温の維持は不可欠で、これらが不足すると、たちまち物事を考え判断することにも支障をきたすので、とにかく水分摂取と体温維持に全力をそそぐことが、生命維持の基本と言えます。(もちろん呼吸やカロリー摂取も重要ですが)


○飲用に適する水分とは

1)身体に有害な物質を含んでいない。

有害な物質とは摂取による慢性・急性中毒をもたらせる、無機あるいは有機物質と放射能を帯びた物質を指します。

有害でないものはある程度の摂取は問題ないし、それよりも水分の摂取のほうが優先する。
(多くの場合、水が放射能汚染された状態とは、何らかの放射性物質が混入したことにより「汚染」となる。

水そのものが放射能を帯びる状態も存在するが、原子炉に隣接避難し冷却水を飲み水にでもしない限り、アイソトープ化した水は存在しない・・・したがって周囲が漫然と放射能汚染された状態であっても放射性の物質を除去すれば飲用することは可能である。
完全とは言えないが、沈殿・活性炭により除去が可能。後述)

**この記述に関して、3重水素(半減期12.33年)と酸素の放射性同位体(すべて半減期3分以内)が存在するので・・・という指摘があったが、これらはいずれも原子炉冷却水以外では検出されないので、このような表記になった。

汚染区域でプルトニウムやウラン235のような中性子放射するものでもばら撒かれていれば、3重水素もあるかもしれないが、おそらくそのような環境下では飲料水以前に生存は困難。

 身体にとって必須であっても、摂取量が多すぎると有害な物質を多量に含んでいない。
一例をあげると、塩化ナトリウム(食塩)など。海水や尿などがこれにあたる。一般的に塩化ナトリウムなどの電解質を効率よく取り除くには、イオン交換樹脂などを必要とする。災害時、緊急時に海水や尿を浄水することは困難。


2)身体に有害な細菌、リケッチア、寄生虫やウィルスなどの生物学的存在を含んでいない。

環境には細菌・ウィルスが無数にあり、判定は容易ではないが、食物や飲料には多くのこれらの生物学的存在が付着していることが普通で、やみくもに無菌であることを探求することは無意味であるばかりか、より優先する水分の摂取を滞らせ、逆に生命維持を困難にする。

しかし、有害な細菌やウィルスは、できるだけ取り込まないことが基本。また、厳密には有害であっても、細菌やウィルスでは取り込んだ量が少なく、免疫が正常なら何も起きない(これが日常)ことが普通。

*1)、2)を満たした水分を清浄水と呼び、1)、2)の混入した水分を汚染された水と呼ぶ。
清浄な水分は代謝や生命活動を促進し、汚染された水分は摂取すると慢性あるいは急性中毒、あるいは感染、または被爆し、治療しなければならない状態となる(治療しても回復できる場合とできない場合があるが、この問題は専門家に譲る。

しかし、それも生命維持ができていてのはなしなので、治療までに死んでしまっては元も子もない。しかし、その状況が逼迫したものなのかそうでないのかを判定することが難しい)。

また、それらの汚染を取り除くことができるならば、原料が何であろうと飲用に問題は無い。



○飲用にするために汚染源をとりのぞく


有害な物質や細菌・ウィルスを取り除くには、それらの形態を利用し取り除く。

■有害な物質の形態
取り除くべき対象は、いくつかの状態で水に混入している。

1)小さな粒子の形で混入しているもの。
無機物質(鉱物)
泥水や絵の具の顔料などは、均等に混ざっているように見えて、粒子が水に散在している。このため安静にしておくと沈殿(底にたまる)する。

うまく沈殿するなら、沈殿したものが舞い上がらないように、そおっと上澄みを別の容器に移す・・を繰り返すことは除去が不完全のように見えるが、浄水の最初のステップとして極めて有効。侮ってはいけない。

目に見えない不純物の多くも、この沈殿現象はあり(細菌やウィルスを含む)、入手した水を安静にししばらく放置後、上澄みを取ることは有効なステップ。無機物質の場合、少量の石灰を入れることで、沈殿を加速するできる場合がある。

 山間部の湧き水や、鉱山などの近くの水源では、砒素などの重金属微粒子を含むことがよくあるが、石灰投入による沈殿促進は有効。

有機物
広い意味では細菌やウィルスも有機物で、ある程度の沈殿は見られるものの、粒状無機物ほどの沈殿は期待できない(が、底の濃度は高い)。

 ☆上記のような無機・有機粒状の汚染源は、最初のステップで沈殿させ、その後フィルターで取り除く。フィールドで採取できる水の汚染原因のほとんどは、このような粒子状の物質で、かなりの部分フィルターによって取り除くことができる。


2)水に溶解しているもの
1)代表的なものは海水にあるような塩分(塩化ナトリウム)である。塩化ナトリウムに限らず、塩(酸とアルカリにより生じる物質・・電解質)の多くは水に溶解し、フィルターでは取り除くことはできない。

2)界面活性剤(石鹸・洗剤など)の多くは、人間の生活廃水に多く含まれるが、これもフィルターでは取り除けない(ばかりかフィルターに損傷を与える場合も)。

3)有機リン系薬剤のような、農薬など。

4)重金属類。



水に完全に溶解している有害物質は、容易には取り除けない。しかし1)の塩化ナトリウムのような塩では、「イオン交換樹脂」で取り除くことができる。

このような想定がある場合には、ポータブルのイオン交換樹脂浄水装置や、そのオプションがある浄水装置もあるが、事前に用意しておかなければならない。

また石灰の投入により重金属のいくつかは析出し沈殿する(取り除くことができる)。

☆☆
取水する場合、生活廃水を含む系には、このような除去の難しい物質が多量に含まれることがあるので、とくに界面活性剤や、農薬などには気をつけ、そのようなものが含まれそうな水系からの取水は避ける。

☆☆☆
界面活性剤は日常の生活に深く溶け込み、たいした毒性はないように錯覚しているが、濃度によっては胃腸などの消化管表面の細胞膜破壊がおこり、とくに子供などでは深刻な中毒症状や出血の原因になる。取水してみてひどくあわ立つ濃度では浄水には向かないと考えてください。

★★★
有機リン系の農薬が混ざっている可能性がある場合、フィルターなどでは除去できません。微量であっても神経症状などの重篤な問題が起こります。取水するときに、農業系施設(田畑や加工場、倉庫など)が近くにないことを確認しましょう。
(活性炭による浄水ステップがある場合には、ある程度の除去が可能ではあります)

○○○
十分な熱源があり、設備が整っている場合、蒸留することで、これらの溶解している物質も取り除くことができますが(正しく操作すれば)、もはや「プラント」規模であろう。

2リッターの水を蒸留で得るには、その半分程度の液体燃料が必要になるでしょう。★★★蒸留によく似た(加熱するという意味で)処方に「煮沸」があるが、生物起源(細菌やウィルス)の多くを殺処理できるだけで、有害な物質を無毒化できるわけではありません。

(細菌の一種ボツリヌスの作り出す毒素は、熱にも比較的強く、わずかな煮沸では効果は期待できません。また土壌の多くにはボツリヌスは存在し、とくに乳幼児に与える場合は蜂蜜とともに要注意(つまり、水溜りなどの水を煮沸しても、煮沸だけでは大したリスクの軽減にならないという意味)。

(先に紹介した石灰の投入だが、煮沸すると石灰分は析出するので、石灰投入→析出沈殿+上澄みの取得→煮沸により残った石灰の析出、は有効な処方・・・とくに幼児のための水分確保では活性炭併用とともに有効な手段)

参考写真:筆者の災害時飲料水作成パック





■浄水の手段

A)沈殿ろ過

 取水した水の、沈殿する固体成分の沈降を待ち、上澄みを採用する。
見た目が透明であっても、有害な成分がその中に入っていそうなことは誰の目にも明らかだが、現実的にこれしかできない場合もある。しないよりはマシだが、極めてハイリスク。

 以降の手段を実施するための前処理として、極めて有用。例えば中空糸膜によるろ過を行うのに、取水した水を直接入れる場合と、沈殿を経て入れた場合では中空糸膜の目詰まりが違い、ろ過速度や膜の寿命が大きく異なる。

煮沸の場合も粒子状の異物が残っている場合と取り除かれている場合では、安全性が大きく異なる。沈殿ろ過していない水を中空糸膜フィルターに入れると、あっという間に目詰まりして、以降使用できなくなるし、回復は困難なので注意。

 とりあえずくみ上げた水は安静にし、沈殿を待つ方が良いでしょう。上記したように少量の石灰の投入により、沈殿沈降を早めることができる。また、石灰によるアルカリ化により、一部の細菌やウィルスを無力化する効果もある。

注意:乾燥剤などに使用されていた生石灰(CaO:味付け海苔の乾燥剤はほとんどがこれ)はもちろん使用できるが、水に投入すると激しく発熱し、可燃物が隣接していると、ときに発火するほどなので注意しなければならない(CaO+H2O→Ca(OH)2+発熱!!)。使用量は2リッターあたり小さじ1~2杯程度を少しずつ投入。

 石灰はニワトリのウィルス疫病や口蹄疫でも、殺処分後、石灰とともに埋葬し、ウィルスの無力化ができるほどの高い実績を持つ。また水溶液は強いアルカリ性だが、水に溶け込む量が少ないため、そのまま飲用しても多少苦いだけで実害は無いと思われる。

多量に摂取しすぎると下痢症状になることも・・・(ミネラルウォーターのコントレックスがこれに相当)むしろカルシウムの摂取で、精神の平穏と活力が訪れるかも(半分冗談です)。 ・・・過剰に入れすぎないように注意。
注>石灰の粉末が目に入らないように注意。入った場合には即座に流水で洗眼。

 生石灰は味付け海苔の乾燥剤として使用されていることが多い。ヨウ素アイソトープの摂取を阻止、あるいは代謝排泄するのにヨウ素を含む食品の摂取は、ヨード製剤と同様に効果があることは、チェルノブイリ事故で証明された事実だが、過剰な摂取も相当に有害。

海苔巻き、おにぎりなどの摂取程度で十分に効果は期待できる。なぜなら日本人の多くのヨード摂取状況は飽和レベルであり、少量ずつの摂取でトリクルチャージしておく程度でよいらしい。(ただし、子供はそうではなく吸収量が高く、ゆえにヨウ素アイソトープによる甲状腺がんが多発するのだそうだ)

注>高石灰水は、乳幼児の腎臓機能にダメージを与えるので、乳幼児用には必ず煮沸し、活性炭で石灰質を取り除く必要があります。また、飽和水溶液は角膜(目の)に障害を与えることがあるが、上記の投入量では飽和にはならない。

(水への溶解度は他の多くの台所物質と異なり、温度の上昇とともに少なくなるため、煮沸により石灰分の溶解度は大きく減少する)


B)布などによるろ過

使用部材:1.5~2リッターPETボトル、綿や麻の布地(ジーパンやTシャツなど)







 

 衣類などを流用、フィルターとして使い、水を通過させ異物をとりのぞく。
A)と同様に見た目が濁っていなくても、有害な成分を含んでいることが多い。
しかし、A)→B)のプロセスを経ることで、異物の混入は飛躍的に少なくなる。

使用できる材質は、綿、麻で、絹や化学繊維(ナイロン、ポリエステル)は不向き。
ただ、メインフィルターを綿や麻、その手前のプレ・フィルター(メインフィルターの目詰まりを防ぐための、大物異物除去のための)として、化繊を使用すると、メンテナンスが容易になる。

綿や麻などの繊維には、ろ過だけではなく、毒素吸着についてある程度の効果がある場合も(指定の工作の場合)。

 1.5~2リッターのPETボトルでこのフィルターを作成するには、
1)PETボトルの底を切り抜く(倒立セットし、底から給水、キャップ側から取り出す)。
ボトルの断面は丸い方がろ材をセットしやすい。角型の場合、角部分からスルーしやすいので注意。
出力水は、別のPETボトルのキャップ側を切断したものや、牛乳パックなどで受ける。

2)フィルター材(ろ材)は、綿または麻の布を10~15cm幅に切り、長い帯状にする。
分量は、Tシャツ1枚分から1.5枚分。Tシャツの場合は帯状に切らなくても折りたたみで対応可能。Tシャツの場合、色柄物は色落ちし、水がその色に染まる場合があるので、使い古したものか無地のものを使用したい。

3)その帯をPETボトルの胴の太さになるまで堅く巻物にし、PETボトルにねじ込む。きつきつにならない場合は、2)に戻り布を追加。

4)底部分から注水し、キャップ部分から出てくるのを待つ。最初の2杯分の水は捨てる。
*水の流れは1リッターの浄水に3分以上かかることが必要。そのまま「ジャー」と出てくるようではろ過されず、スルーしている。布をさらに追加、さらにきつく巻く必要がある。PETボトルとの間に隙間が無いか点検。

5)水受けは頭部分を切り取ったPETボトルや牛乳パックで作ると、放置セットできる。

☆うまく作ればなかなか優秀だが、出てきた水の飲用には煮沸の必要があるだろう。

☆このフィルターの寿命は数日程度期待できるが、メンテナンスを怠ると細菌が繁殖しやすい。後述の塩素滅菌を併用することが望ましい。
メンテナンスは布を取り出し、普通に洗濯の要領で・・・その水があれば・・。


C)家庭用浄水器の流用(中空糸膜のものに限る)

使用部材:家庭用の水道の蛇口などにセットする浄水器(中空糸膜式)
       または、ピッチャー型の浄水器(中空糸膜式)

 家庭用の浄水器をあらかじめ用意しておき、ろ材として使用する。
もともと水道の蛇口にセットして使用する製品は、圧力をかけなければ勢いよくろ過することはできないが、重力式で水を供給(落差1m程度)でも、ある程度の速度でろ過することができる。

この方式の利点は、ろ過能力が大変優れていることで、多くの細菌、すべてのリケッチア、ある程度のウィルスを濾し取ることができる。毒素が溶け込んでいなければ、そのまま飲用できるが、ろ材の外側(水の供給側)で細菌やウィルスが繁殖する場合がある。

数日に一回程度、塩素消毒することが望ましい。ただし塩素消毒を行うとカートリッジ内の活性炭や銀の消耗が激しい。この中空糸膜式の浄水装置は極限とも言える浄水能力を持つが、反面目詰まりしやすいという弱点がある。目詰まりさせないためには、中空糸膜浄水する前にA)B)のろ過を十分に行っておくこと。

 問題点は、水に完全に溶け込んだ電解質や農薬などは取り除けないこと。E)の活性炭により、農薬などはある程度除去できるが、電解質は困難。

また異物を多く含む水などを投入すると、あっという間に目詰まりして、使用不能に陥る(水が出てこなくなる)。家庭用に販売されている中空糸膜浄水器は、あくまで水道水をろ過するためのものなので、サバイバルに利用する場合は、必ずA)B)の工程を経る必要がある。

注意: ポット型の浄水器のほとんどのモデルは中空糸膜ではありません。
中空糸膜でない製品は、このような汚染水にはまったく効果を発揮しないので注意。唯一使用できるポット型は、三菱レイヨン製の製品とパナソニック製品の一部のみ。


(写真にはブリタ製の製品が写っているが、ブリタはイオン交換樹脂主体で、中空糸膜ではありません。参考として例出しているだけです)
また、入力水と出力水が混ざらないように、十分注意のこと!!

 破断した水道管から取水する場合でも、できればC、D、Eの処理を行い、飲用すべき。

 ○中空糸膜のフィルターは、使用を開始すると、中途で使用を中止し保管することが難しい。寿命に達するまで使用し続けるしかない・・。

 工作はある程度の工夫が必要で、水道の蛇口にセットするようにできているため、適切な太さのパイプが必要なこと。しかし、灯油用の手押しポンプ(しょうゆチュルチュル)のタンク側パイプが、ぴたりと合致する。ポットタイプの場合は、そのまま使用。



D) 塩素消毒

 家庭用の水道にも塩素殺菌は施されている。
塩素の毒性はあらためて指摘するまでも無いが、その多くは肺からの吸引にについてであり、飲用した場合の毒性は一定濃度以下ではほとんど無視することができる。

また経口した場合の問題として、有機物との化合物の発がん性が指摘されるが、緊急時、災害時にはその殺菌作用の有用性の方がより重要と思われる。また、これらは活性炭プロセスで除去できる。

利用
 A)、B)、C)で紹介したろ過は、いずれもろ過にある程度の時間がかかり、ろ過した貴重な水はある程度の保存(数日~)と、通過した細菌やウィルス(どうしても多少の通過や漏れは生じる・・と考える)の無害化を行う必要がある。
 そのためには水道でも採用実績のある、塩素による滅菌が最も有効な方法のひとつとしてあげられる。
 活性な塩素を水中に得るには、そのための薬剤を利用することが簡単です。「風呂水ワンダー」はこのような目的に合致する。家庭の風呂での使用にあたりある程度の安全確認はなされている。(風呂水ワンダー」は備蓄可能。


使用量

 20リッターあたり1/4粒。この量を投入し、密栓で保存すると1週間程度、ろ過水を貯蔵し、飲用として即用できる。しかし味はかなりまずい。

 塩素を取り除くには、煮沸するか、次の活性炭による吸着が有効。
 
 プール用のカルキの場合は、20リッターあたり小さじ半分。


注意
:水道水の塩素は、次亜塩素酸ナトリウムが用いられている。この薬剤を含むものに「ハイター」があり利用できそうだが、「界面活性剤」を含まないものであることを確認しなければならない。界面活性剤は容易に除去できないし、実害が大きい。

「キッチンハイター」と「ハイター」があるが、ラベルを確認のこと。
 
 20リッターあたり小さじ1/4。


有用性

 過去に地下鉄サリン事件があったが、毒ガス(などの強毒性有機物)の洗浄や無毒化(体に入る前の話で、入った後の治療のことではない)に、次亜塩素酸ナトリウムは最も有効な薬剤としてもよく知られている。

このことから考えると、有機りん系の農薬の無毒化にも効果がありそうだが、やはりそのようなものが含まれそうな「取水」はしないようにしたいものだ。

最新の米国の派遣部隊が使用している方法は、食塩から濃厚食塩水をつくり、これを電気分解で塩素イオンを得て、これを飲用水に一定割合で混入する方法がとられている。

 塩素臭が我慢ならない場合は、活性炭や煮沸で除去。



E)活性炭による有害成分の吸着

 活性炭を投入することで、物理活性のある有害成分を吸着できる。
活性炭には化学的処理を施し、活性賦活した活性炭と、本稿で扱う古来から燃料である白炭の流用がある。

どちらも有用であることには変わりないのだが、有害物質の吸着(除去)速度や災害時、緊急時の入手難易度、コストなどが大きく異なる。

本稿では入手性、コスト、備蓄性、燃料としての流用性を考慮し、白炭(備長炭)を紹介対象とします。

入手
 燃料用の炭を流用するが、炭には黒炭と白炭がある。主な違いは焼成温度の違いなのだが、バーベキュー用のものの多くは黒炭で、この用途には向かない。

この用途に適するのは「備長炭」(白炭)である。

見分け方は、いくつかあるが、白炭は叩くと「カーン」と金属質の良い音が得られる。黒炭はそのような音はしない。サーキットテスターで抵抗値を調べると、白炭は炭素含有率が高いため、低い抵抗値を示すが、黒炭は色は黒いものの生焼けで、炭素含有率が低いため、ほとんど電流は流れない(抵抗値はきわめて高い=針式なら、メーターの針は振れない)。
活性炭として使用できるのは白炭なので、間違えないように。 

 白炭表面は極めて微細な多孔質構造で、その表面は強力な物理吸着性を持つ。


参考
 燃料として扱いやすいのは黒炭で、着火や調整が容易。白炭(備長炭)は容易には(とくに災害時には)着火できない。燃料としても備蓄する場合には、着火用に黒炭も備蓄しておかなければ、着火すらできないだろう。黒炭に着火することくらい普段から練習しておくべきだろう。

使い方
 フィルター的に、砕いた白炭中を通過させる使用例もよく見かけるが、吸着性に着目すると、ある程度の時間、水が白炭に接し、循環する必要がある。貯蔵用のポリタンクやPETボトルにそのまま砕いた白炭を入れ、ろ過水を注いでおくと効果が高い。

砕いたばかりの白炭は、微粉末が含まれるので、水が黒く濁るが、水を入れ替えると(白炭を洗うと)すぐに濁らなくなる。(黒炭を使用するといつまでたっても汚く濁っている・・・ばかりでなく、黒炭はタールなどの発がん性物質を含むため有害との指摘も)

 砕いて使用するのは、少しでも新鮮な面を露出させるためであるが、非常に堅くなかなか砕けない。米袋やポリエステル製の袋、土嚢袋などに入れ、コンクリート面や石の上で金槌で砕く。砕く細かさはPETボトルの口を通過する程度でよいだろう。

 飲用する場合活性炭の破片を食べないように簡易にろ過するか、事前に細かい破片を洗い流しておく。活性炭には吸着した有害物質が含まれていて、それらは決して無毒化はされてはいないので食べないように。

 白炭が新しい(使い始め)では半分以上の破片が浮いていると思いますが、この状態では、炭の活性部分が気泡であるため浮いている。白炭の微細構造の空気が抜けて、水がその中に入らないと吸着性能は発揮されない。初めて使う際、水に炭を投入後1~3時間程度で放っておいても炭は沈んでいきます。沈まない場合、その炭は白炭ではなく黒炭かもしれません。
  
 飲用する前にB)の布によるろ過を行ってください。
<<有害物質の吸着除去には、下記の水と白炭の比率で5~6時間以上必要>>

使い方2

 微粒子になるまで細かく粉砕し、適量を水に投入。一定時間後(白炭の場合、5~6時間以上)沈殿ろ過して飲用とする。A)→B)→C)またはB)→C)で炭分を取り除いてください。

参考
 昔は化学実験室などでは粉末の活性炭を常備しておくことが常識で、誤って毒物を口にしたり、服毒自殺した者に強制的に服用(消化管に注入)したものだ。
抜群の初期手当てとなる。人間の消化吸収よりも炭の吸着力の方が強いということなのだろうか。

 原子炉関係者からの又聞きなので真偽はわからないが、排気塔の内部には活性炭を仕込んであり、定期的にその活性炭をサンプリング。ヨウ素、セシウムはおろか、キセノンやウラニウムまで吸着しているそうだ。この方法でこれらの危険な物質の排出を抑制している。

このことから考えても、活性炭は原子炉事故時対応の浄水方法の切り札といえるだろう。


使用する白炭の量
 ポリタンクやPETボトルの容積の1/3~1/2以上の量を入れ、浄水を急ぐ場合はシェイク。何度も使用できるので、白炭の量をけちらない。白炭の量が少ないと浄水するのにより多くの時間が必要となります。<<この量で5~6時間以上必要とします。>>

(粉砕した粉末の場合は1リッターあたり小さじ山盛り1杯程度で、攪拌の必要があります。
しかし破砕の場合よりも速やかな除去が期待できます。投入する粉砕白炭の量、細かさ、攪拌などを最適化すると、10分~20分で吸着のプロセスを終了することが可能です。

しかし、その後に厳重にろ過の必要があります。この吸着工程が高速であることから、工夫すれば大量の水を処理可能と言えます)

 除去能力、除去速度を知るには、次項を参照。


有効性の確認
 白炭が吸着できているか、吸着寿命に達してないかを確認できなければならない。確認には、メチレンブルーを数滴たらし、吸着しているかを確認。色が薄くなっていけば吸着している。変化がなければ効果なし。一般的な吸着評価法では、金魚の消毒に使用するメチレンブルーを用いる。もちろんさっさと色が消えればよし。

(メチレンブルーの貯蔵は光が入らないように注意。入手は大手ペットショップの熱帯魚コーナーで、店頭に並んでいなくても、「うちのかわいい熱帯魚が、尾くされ病になっている・・・」と言えば出てくる)

 メチレンブルーの吸着には、白炭の場合に数時間以上かかることが普通。化学活性賦活した「活性炭」ではその数分の一の時間で吸着するので、いわゆる性能の点で白炭は活性炭に一見劣っているように思える。

しかし、コスト、備蓄性、燃料への流用性などで優位性があると考える。気長の待とう。
(中国製の備長炭も低抵抗値のものは、問題なく使用できるようだ)

 メチレンブルーは衣類や皮膚に付着するとその部分が強力に染色される。一説には希釈すればうがい薬として流用できるらしいが、試してみると口の中は真っ青に染め上げられた・・・数日で元に戻ったが、担がれたのだろうか?飲み込まないように注意。

一応メチレンブルーそのものは濃厚なものを飲用すると有害な薬品とされているが、その毒性はインクジェットプリンタのインクと大差ない。
またこれらのインクや染料を取り扱う場合、目に入らないように注意。メガネなどを使用。


参考

 活性炭の吸着除去能力のテストは、貯水ボトル(タンク)全体で行わなくても、数かけら炭の破片を取り出し、小さなコップや試験管で行っても良い。
(水と炭の比率に注意)

**
この有効性の確認は、活性炭がどれくらいの時間で吸着するかを学習する意味でも強く推奨したい。色素を吸着するのと同じくらいの時間が、有害物質の吸着にも必要であること。イメージ的に即座に吸着できそうに思っている方が多いが、現実には相当の時間が必要なことを理解すべきでしょう。






写真は粉砕白炭による高速吸着テスト

*写しこんだストップウォッチソフトは、まさはる氏作 StopWatchD.exe を使用させていただきました。

 墨汁や顔料インクは使用できない。染料赤や青インクなどが流用可能であると初期の水考で記述したが、インクジェットプリンタ用のインクには吸着されるものと吸着されないものがあることが判明しました。軽率な情報で申し訳ありません。謹んでお詫び申し上げます。


メンテナンス
 PETボトルやポリタンクなどに入れて、常用する場合で、一週間程度は効果が持続する。(粉砕粉末化したものは一度で使い捨て)

 また、使用する前に一度煮沸すると活性が強化されるようだ(粉砕のものを除く)。おそらくこれは気泡の排出が早くなり、水と接触する面が増大するからと考えられる。

吸着性能を回復するには、十分に煮沸すると良いが、災害時、特に原発事故がらみの場合(吸着対象が放射性同位元素)、回復はせずに、そのまま破棄する。燃料としても再利用しない方がよいだろう。

 あまり有害ではないと思われるが、活性炭浄化した水や活性炭そのものには、塩素や強アルカリが含まれないため、藻類やカビが繁殖しやすい。このため、活性炭はできるだけ水没した状態で、直射日光を避けて貯蔵運用すべき。


利用
上記の方法を適宜組み合わせて使用する。最も快適な方法は、ABCDEを順に処理することで、取水する場所が適切であるなら、通常の生活となんら変わりない水ライフが送れるだろう。

 また、比較的清浄な取水(破損した上水道などから)ができた場合、ABを飛ばし、E)B)C)B)やE)B)もアリ。
  
 水道水に混入した微量の放射性物質を除去したい場合、C)B)、貯水する場合D)を併用など。

 水道水に混入した微量の放射性物質を大量に処理したい場合は、粉砕活性炭を用い、E)、B)、B)、C)などが考えられるが、近日中に「水考プロフェッショナル」として執筆予定。

 逆に破滅的な取水状況(濁った河川や水溜りなど)しか無い場合は、ABを繰り返さなければならない。また、尿を浄水できるか・・という疑問もあるが、排泄主が何らかの感染をしていなければ、菌層的には比較的安全らしい。(とくに乳児ではほとんど無菌であるとも)

しかし、塩分濃度が高くイオン交換樹脂無しでは、趣味的な飲用を除き、実用には耐えないと思われる。

海水も同様。

水道水(簡易でない上水道)をさらに浄化したい場合、(原子炉事故によるヨウ素やセシウムの同位体を除去する目的の場合、E)→B)→C)のステップのみで有効と思われるが、上記の吸着有効性を確認しながら使用しなければ気休めにしかならないだろう。


使用済み炭の廃棄の問題:
インターネット上の「不安」には、この吸着済み活性炭は「吸着しているなら放射性物質が濃縮されているハズで、廃棄方法を確立する必要が・・・・」等の指摘を見かける。

しかし、現実の問題として水道水に含まれているヨウ素やセシウム(セシウムについては吸着率が悪いという意見もある)を一杯に吸着した活性炭があると仮定して、その放射線量は、およそ新鮮な御影石(花崗岩)と同程度か、それ以下と思われます(墓石などに使用される御影石の多くは、放射性のラドンを大量に含み、長年にわたり放出し続けている)。

農耕に使用しない場所に埋設するか、排水に廃棄してもことさら問題は無い(汚染を拡大することにはならない)と考えますが、どなたか専門家の意見を伺いたいです。

注意:プロセスをよく理解し、手順を追って適宜処理を行う。「まぜるな危険」というほどではないにしても、全部の処理をひとつのボトルにぶちこんでも無意味です。




用意しておくと使用できる部材

○PETボトル(後述)

○水用ポリタンク(後述)

○古着など(もちろん新品可、無色、無地)

○家庭用浄水器(中空糸膜タイプのみ)

○風呂水ワンダー(プール用のカルキ錠剤・・ただし量に注意)

○ハイター(要注意)

◎白炭(備長炭、活性炭も可・・大人1人1ヶ月あたり1~3kg)

◎メチレンブルー(メチレンブルーは観賞魚用の水溶液)

○灯油用手握りポンプ(しょうゆチュルチュル)

○生石灰(味付け海苔の乾燥剤)

○パイプ

○粘着テープなど

注意 インクジェットインクは、活性炭で吸着しないものもあります。ご注意ください。


PETボトルの有用性
普段は邪魔者扱いのPETボトルだが、PETはポリエチレン・テレフタレートというポリエステル系の大変優れた強化プラスティックです。

災害時や緊急時、ほとんどすべての液体を入れ、運搬や一時貯蔵に使用できる。

その範囲は水などに限らず、灯油やガソリン(要注意)の運搬や貯蔵でもボトルそのものに劣化はほとんど見られない(しかし熱で変形しやすい性質があるため、注意しなければならないし、キャップは多くの場合異なる材質でできているため、キャップがウイークポイントである)。・・・長期検証済み。

注意:十分に注意し、劣化がないか、常に点検してください!!
    (とくにキャップ、キャップ内パッキン)

 破壊テストを行っても、ポリカーボネードを凌ぐ耐衝撃性を持ち、まさに災害時のために存在しているのではないか、と思えるほど有用。

注意:ただしキャップやパッキンはこの限りではなく、灯油やガソリン、アルコールによって、炭酸飲料用のパッキンは侵されるし、落下テストで最初に破壊するのもキャップである。

この水の確保においても、PETボトルは運搬、貯蔵に便利であるだけではなく、浄水プラントの構築素材として、是非とも備蓄あるいは優先的に確保したいアイテムである。

今回の災害では津波が大きな被害の原因となったが、空PETボトルは堅牢な浮きとしても活用できるかもしれない。

(飲料用のアルミボトルは耐衝撃性が大変弱く、実用に耐えない。1mの高さからコンクリートへの落下テストでも破損率は50%を超える場合も。とても燃料など入れられない。)


ポリタンク
ポリエチレン製液体用タンク
一般的に「白」が水、青または赤白が灯油、赤がガソリン(現在ではガソリンは鉄製耐圧タンクに統一されている)のように識別されている。
 しかし青色の灯油用のものを水に流用することは、使用者が理解していれば、なんらの問題もないが、一度でも灯油に使用したものは様々な問題が生じるので考えない方がよい。未使用のものを常にひとつくらいガレージにストックしておくべきだろう。



使用する薬剤のトラブルシューティング

○生石灰

効用: 異物沈殿の迅速化、溶解物質の析出、アルカリ化による殺菌・ウイルスの不活性化など。

注意点:粉末や高濃度溶液は角膜(目)の損傷の可能性。

 *万一目に入ってしまった場合、大量の流水で洗う。
   飽和水の飲用で下痢、飽和水の大量飲用で、腎機能の低下(特に幼児)

   (ミネラルウォーターの多くにはかなりの量が含まれています)

 *石灰濃度を下げるには、煮沸を行い、冷却する前に上澄みを別容器へ移す。

   粉末へ水をかけることで、激しい発熱や発火(水に少量ずつ投入で安全)。

   素手で扱うと肌荒れの原因になります(セメントと同程度)。

   使用量を守る(-50%+100%以内)

寛容性:普通は味付け海苔の乾燥剤として使用されている。
水分を一杯に吸った状態では消石灰[Ca(OH)2]に変化(生石灰は[CaO])しているが、浄水の目的には何ら問題なく使用できる。固まっている場合には、粉砕して使用。

入手: 単独で購入、または味付け海苔を購入。海苔を普通量食べることで、ヨウ素分の適量補充もできる。(取り立てて大量摂取の必要は無い)とくに中学生以下では普通量摂取を心がけたい。

貯蔵: 外気を遮断し(チャック付の袋や味付け海苔の入れ物)、水のかからない環境で保存。



○塩素剤

効用: 強力な酸化力による、雑菌やウィルスの死滅処理。繁殖抑制。

注意点:酸素系漂白剤と混合しない(混ぜるな危険!)。
      できるだけ素手では扱わない(危険度低)。
      目に入らないように注意する。
      発生ガスを積極的に吸い込まない。
      使用量を守る(+100%以内)

寛容性:「風呂水ワンダー」「ハイター」「プール用カルキ」

入手: 購入

貯蔵: 開封せず、冷暗所で保存。密栓。



○メチレンブルー

効用:活性炭の吸着性能の測定指標。
    メチレンブルーそのものにも一定の殺菌作用があるが、飲用不適。

注意点:衣類や皮膚に付着すると鮮やかに染色される。
      目に入らないようメガネなどを使用。

寛容性:当初このテキストではインクジェットプリンタ用のインクで代用できると記述していたが、
      多くの品種でテストしてみると、インクジェットプリンタ用のインクは活性炭吸着しない
      ことが多いことが判明。比較、確実性のため、メチレンブルーをご用意下さい。

入手: 大手ペットショップの熱帯魚コーナー、獣医師などから購入可能。

貯蔵: 光をさえぎり、密栓貯蔵。


家庭用浄水器について

 このテキストでは中空糸膜ろ過の製品のみを推奨している。家庭用の水道水ろ過装置にはいくつかのタイプがあるが、このテキストでは安全な飲料水の作成のため中空糸膜の機能について期待し、それ以外の付加機能はこのテキストの求める用件を満たしているとは言えません。したがって、中空糸膜方式以外の製品で代用することはできません。

 中空糸膜フィルターは優秀なろ過機能を持っているのですが、大変目詰まりしやすく、異物を多く含む水をろ過しようとすると直ぐに目詰まりを起こし、水が出てこなくなります。このようなことのないよう、沈殿と布ろ過を行い、予備のカートリッジを備蓄しておくことを強く推奨します。

あまり効果的とは言えませんが、排水側から一定の水圧をかけると、ある程度目詰まりから回復できることがありますが、中空糸膜の破損の原因となることがあるので、あまりお勧めできません。

 中空糸膜方式の家庭用浄水器のカートリッジ内部は、多くの場合中空糸膜フィルターだけでなく、活性炭やイオン交換樹脂が同居しており、この部分での雑菌の繁殖を防ぐ目的で、有機抗菌剤や微粉末の銀を含むことが多いようです。

しかしこのテキストで紹介しているような、塩素、石灰の使用は、これらの活性炭やイオン交換樹脂、銀などの消耗を加速し、カートリッジとして設定されている寿命よりも速くこれらの機能が失われる場合があります。

症状としては、味がマズくなる、カビなどが発生しやすくなる、などですが、中空糸膜そのものの寿命は低下するわけではありませんので、ご了承ください。カビや雑菌の繁殖に対しては塩素消毒などを実施下さい。


白炭について

 なにも吸着していなければ、そのまま食べても問題はありません。無害であるとされています。内科的治療や、薬物摂取の初期治療としても古くから用いられています。しかし、粉末を一度に多量に摂取すると、重い便秘や腸閉塞の原因となるかもしれません。忍者は毒を盛られた際、炭を摂取して対応したとも伝えられています。


白炭粉末について

なにも吸着していなければ、食べても問題ありません。
しかし呼気から肺へ吸入すると、排出が容易にはできず、様々な肺疾患の原因になることがあります。しかしそのリスクは小麦粉と同程度とも言われています。

 強力なモーターなどで粉砕すると粉塵が舞い上がり、粉塵爆発の可能性があります。削る際には500回転/毎分程度を目安とし、ホイールにやや強く押し付けることで粉が小さくなりすぎず、うまく受けることができます。ダイアモンド電着ホイールなどで削る際には、風の無い室外で、マスクを装備し、500RPM程度で行うようにしましょう。